「斬られる」ために生きる男、主人公 香美山を演じるのは、
日本一の斬られ役・福本清三。
 
55年間、斬られ役として斬られ続けた彼が今回、満を持して主演を務める。
 
香美山に殺陣の指導を請い、チャンスをつかみスター女優の階段を駆け上がるヒロインさつき役には世界ジュニア武術選手権大会優勝者でもある山本千尋。本格映画初出演となる。
 
脇を固めるのは太秦ゆかりのスターたち
「柳生一族の陰謀」やTV時代劇「名奉行 遠山の金さん」「人形佐七捕物帳」で福本清三を斬ってきた松方弘樹。
福本とは「仁義無き戦い 頂上決戦」「冬の華」などのヤクザ映画の他、TV時代劇での共演も多い小林稔侍。
太秦で撮影の時代劇や刑事ドラマでも活躍の本田博太郎。
「水戸黄門」5代目渥美格之進を演じた合田雅吏。
「八丁堀の七人」など数々の作品にて活躍する萬田久子。
数々の作品で土方歳三を演じた栗塚旭などが福本清三の初主演のために集合。

また、日本一の殺陣技術集団・東映剣会、京都の次代を担う若手俳優たちも総出演。

太秦を愛するスタッフと役者たちが、「斬られ役」の現在をめぐる人間ドラマを哀切たっぷりに描く。

京都・太秦でしか描けない。日本人の心の物語が誕生した。



かつて日本のハリウッドと呼ばれた京都・太秦。 
香美山(福本清三)は、太秦の日映撮影所に所属する斬られ役一筋の大部屋俳優。 
大御所の時代劇スター尾上(松方弘樹)の時代劇も打ち切られ、出番がない日々が続く中、 
香美山は、駆け出しの女優・さつき(山本千尋)と出会う。 

さつきは香美山に殺陣の指導を請うが、 
「女優さんに立ち回りの役はありまへんで」と言い断る香美山だったが、  さつきの熱意に負け、やがて二人はともに殺陣の稽古をする師弟関係となる。 

香美山との稽古の甲斐もあり、時代劇でさつきはチャンスをつかみ、 
スター女優の階段を昇るべく、東京に旅立った。 

・・・時が経ち、さつきが主演を演じる大作時代劇の撮影が撮影所で行われることになるが、  香美山の姿もなく、お世話になった人が皆引退してしまったことを知り、  いつしか大切なものを見失っていたことに気づく。 

体調を崩して引退して故郷で余生を送っていた香美山のもとを、  さつきは訪れて復帰を懇願する。 
かたくなに復帰を拒否する香美山にさつきは稽古を申し込む。 

一ヶ月後・・・ 
香美山は撮影所にいた。 
最期に尾上を刀を交わすために。 

そして、最愛の弟子さつきに斬られるために・・・。